彼女は悪魔


キーンコーンかーんコーンキーン…


いつもと同じ教室に、いつもと同じゆるーい注意が飛び、


ガガガガ…


眠そうな彼が椅子を引き、

学級委員が仕方なく言う「れーい。」

どこかでか細く聞こえる「…お願いします」

そして、それを掻き消すように椅子と床が削れ、




…今日は3人が即ダウン。



そう、日によって変わるのは

授業の内容とそれが終わるまでに寝る人の数。


平凡で、平凡すぎて時々つまらなくてたまらない日々の日常。




青空は席替えの度、なにかと理由をつけては選ぶこの席、

左の端の1番前の席で

ほお杖をつき、この風景を眺めていた。





授業の内容なんか聞かずに黒板をそのまま丸写し。



『中学の内容ぐらいノートと教科書見ればわかるじゃん』



と、言ってみて。



シャーペンをノートの上で走らせる青空の頭の中ではいつも


空想、というかほぼ妄想が繰り広げられている。
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