彼女は悪魔

「意味が解らない……」

ゆっくりと首をふる。

「なにがあ?」


「人間は驚くと笑うのか…?」


「はい?」


真剣に惑わされたらしく、表情とともに青空をつかんだ腕が落ちた。


その様子を見た青空が

「…あはははは!」

また、笑い出した。


ただただ困惑に溺れる伶美。

後ろから歩み寄る翼。


「んっなっ…にをっ…!」

ニヤニヤしながら伶美の頬を両手で引っ張った。

「はははは、お前も笑っとけよ。
なんか今いい感じになってるからー」

「はあ!?いいから…はなせっ!」


伶美は逃げるように翼から離れた。



「………」



青空の声が止んでいる…?

「青空?」



「ありがとう。伶美。」


その頬にはまた涙がひかる。



微笑む翼。俯く伶美。


「…ぅるせ…っ」


赤い顔、賑やかな足音、そして静寂。
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