王子様なんてキョーミナイシ
思えば、私の王子様嫌いのきっかけは、パパだった気がする。
…この事を、麻菜に言ったらどう思うだろう…。
一瞬浮かんだ考えを、すぐに吹き飛ばした。
また…今度でいいよ。
だって…怖いから。
「きっと何も知らないだろう、蘭ちゃんに教えてあげるー!!荒木…「荒木って誰?」
麻菜のノリノリの言葉を遮った私の言葉に、麻菜がきょとんとした。
…ちょっと!何呆れたような顔してんのよ?!
「アンタが朝タイマンはってた人。」
「あぁ!!あのナルシね!」
へぇ〜あいつ、荒木って名前なんだ。ぴったりじゃん!
「…まあいいや。荒木様って、すぐに人殴るけど、問題になっても、取り巻きの一人、由理って子の父親が大物政治家で、お金で揉み消してくれるらしいよ〜」