王子様なんてキョーミナイシ
荒木への文句を、心の中でグチグチと言いながら、気づかれないように、顔では笑顔でついて行く。
暫く歩いて着いた場所は、中庭。
誰も居ない中庭は、何だか変な感じ。
「で!何?」
「俺と付き合え。」
一瞬、意味が分からなかった。
いや、一瞬どころじゃないかな?
まぁ、それは置いといて…。
「は?何で?」
「俺さ…。人気あるじゃん?だから、女子が煩いんだよねー。まぁ、虫除け?」
『モテるって大変ー』と言う荒木に、私はまたイラつきを覚えた。