純真チョコレート ~乙女系バレンタインのススメ~
雲母ちゃんはまた、首がもげそうなくらいに傾げて見せて。
「ウソつきー」
と言ったけど。
「男になるチャンスなんだから、しっかりやるんだぞ!!」
そうボクを励ましてくれた。
それがなんだか嬉しいような、悲しいような。
ものすっごく複雑な気分になってしまう。
「あ……そう……だよねぇ」
あっさり見抜かれたことに情けなさも加わって。
ボクは笑うことが上手く出来なかった。
「恋は当たって砕けろだからね!!」
まるで自分に言い聞かせてるみたいな雲母ちゃん。
自信ないのかな?
そんな彼女にボクが今できること。
「雲母ちゃんの気持ち。
伝わると思うよ、きっと……」
伝わってほしい。
だって雲母ちゃんの悲しい顔は見たくないから。
「うん」
そうやって、ボクの前では笑っていてほしいから。
たとえ、その笑顔がボクだけのものじゃなくなってしまっても……