純真チョコレート ~乙女系バレンタインのススメ~
「好きな子に、告白するんでしょ!! ほらっ、急がないと」
そう言って、ボクの腕を引っ掴む雲母ちゃん。
「ま……まって、雲母ちゃん!!
雲母ちゃんの方こそ、告白は!!」
ボクの問いかけに雲母ちゃんは一瞬動きを止めた。
それからボクの顔を見ないで「したよ」って答えた。
「ど……どうだったの?」
「んー」
いつも、いつでも。
なんでもはっきり物を言う雲母ちゃんらしくなくて。
「雲母ちゃん、ねぇったら!!」
逆に雲母ちゃんの袖を引っ張って、ボクの方を見ようとしない雲母ちゃんを振り向かせた。
ぽとり。
「雲母ちゃん?」
「ざーんぱい」
いつも元気で、太陽みたいな雲母ちゃんの瞳から、雨の雫がこぼれ落ちる。