純真チョコレート ~乙女系バレンタインのススメ~
なんか、ぼんやりするし。
頭がずきずきする。
そう思って、ボクはゆっくりと頭を触った。
べとっとした感触がして、手のひらを見る。
「あ……血だ」
雲母ちゃんに血のついた手のひらを見せた途端。
雲母ちゃんの顔いろが変わった。
「な……なにやってんのー!!」
「壁に頭打ったせい……かも……けど……なんか……ねむ」
「黎ー!!」
深い眠りがボクの瞼に降りてきて。
ボクはそれに逆らえなくて目を瞑る。
雲母ちゃんがボクをゆさゆさする。
それ。
余計に危険な気がする。
そう思ったけど、もう声にならなくて。
気がついたらボクは眠っていた。
起きた時には真っ白なカーテンがボクの視界を覆っていた。