純真チョコレート ~乙女系バレンタインのススメ~
「それなら黎は世界に一人しかいないじゃない!!」
「あ……うん……そうかも」
世界に一個しかない雲母ちゃんのチョコ。
世界に一人しかいない大好きな雲母ちゃん。
世界に一人しかいないボク。
「歩ける?」
ベッドを下りるボクを支えるように雲母ちゃんは脇に立った。
「だいじょーぶだよ。それよりチョコ……」
拾いに行かないと。
雲母ちゃんの大事な想いをそのままにはしておきたくないもの。
「もう拾った」
そう言うと雲母ちゃんはあのピンクの包装紙の箱をボクに見せた。
「それ、ボク貰ってもいい?」
尋ねるボクに雲母ちゃんは首を傾げた。
「いいけど……黎のはこっちにちゃんと……」
そう言ってボクに白い包装紙の箱を差し出した。