純真チョコレート ~乙女系バレンタインのススメ~
「それってどっち?」
どうしてそういう質問になっちゃうの?
っていうか、雲母ちゃん。
ボクのこと、絶対に男って思ってないよね?
「応援してあげよっか?」
いつになくノリノリで、雲母ちゃんがそんなこと言いだすもんだから。
ボクはちょっと嫌な予感がしたんだ。
「そのかわり」
雲母ちゃんが目を伏せる。
その顔が、その頬が。
ほんのりピンクに染まって、女の子の顔になる。
「手伝ってくれる?」
キラキラと黒の瞳を輝かせ、そんなふうにお願いされたら。
ボクは断れなくて。
「あ……ボクに……できること……なら?」
なんて答えたことを後悔したのは言うまでもない。