元彼の末路
幸隆は饒舌で話しも面白かった。だからと云って、健児のようにミュージカル男じゃないとも、浩平のように泣き虫男じゃないとも、まだ判断は出来ない。けれど幸隆は母親が早くに亡くなったというのだから、少なくともママ大好き男ではないだろう。
「凛花さん、まだ俺のこと思い出せないかな?」
幸隆のシャクレた顔をまじまじと見たが、どうしても思い出せなかった。
「ごめんなさい。思い出せないの」
申し訳なさそうに謝る凛花に対し、幸隆は優しく微笑んでいる。
それから皆で盛り上がっていると、誰が提案したのか、また次の週に集まり、飲み会をしようということになった。
一週間後、居酒屋で行われた飲み会では、幸隆が真っ先に凛花の隣りを確保し、小声で耳打ちしてきたのである。
「よければ明日の夜、一緒に食事に行かないか?」
あまり知らない幸隆と、いきなり二人きりというのは、今までの経験上から考えて警戒してしまう。
「いきなり二人っていうのも……。じゃあ、また来週皆で集まらない?」
幸隆は気分を害したふうでもなく、笑顔で同意した。
「凛花さん、まだ俺のこと思い出せないかな?」
幸隆のシャクレた顔をまじまじと見たが、どうしても思い出せなかった。
「ごめんなさい。思い出せないの」
申し訳なさそうに謝る凛花に対し、幸隆は優しく微笑んでいる。
それから皆で盛り上がっていると、誰が提案したのか、また次の週に集まり、飲み会をしようということになった。
一週間後、居酒屋で行われた飲み会では、幸隆が真っ先に凛花の隣りを確保し、小声で耳打ちしてきたのである。
「よければ明日の夜、一緒に食事に行かないか?」
あまり知らない幸隆と、いきなり二人きりというのは、今までの経験上から考えて警戒してしまう。
「いきなり二人っていうのも……。じゃあ、また来週皆で集まらない?」
幸隆は気分を害したふうでもなく、笑顔で同意した。