元彼の末路
更に一週間後、皆で集まり食事に行った。
その日も楽しく過ごし、相変わらず幸隆は饒舌で、場を盛り上げている。
不思議なことがあったのは会計の時――。
皆で割り勘のため、財布からお金を出しながら、友人が集めていたのだけれど、そこに幸隆の姿はなかった。いつの間に帰ったのだろうか。
その時、何人かの友人が酔っ払っていたため、凛花もすぐ忘れてしまった出来事となる。
何回か皆で集まる機会が増えていく一方、幸隆のアプローチも熱を帯びていく。その押しの強さに負け、凛花はとうとう幸隆と二人で会うことになった。
「じゃあ明後日の夜、駅前広場で待ってるから」
彼は飲み会の帰り際そう云った。
「一人三千円だよ~」
友人の声が聞こえ、凛花や他の友人達も財布を出したけれど、ふと顔を上げると幸隆の姿はなかった。
あれ? 今から会計なのに、またいない。お金払わないで帰ってるのかしら。
さすがに毎回、会計時に姿を消す幸隆を不審に思い、隣で財布を出している友人に訊いた。すると、話しが聞こえていたらしく、男の友人が代わりに答えた。
「幸隆の分は俺が貸したよ。あいつ財布忘れたとか何とか云ってたから」
毎回? と訊こうとしたのだけれど、酔っ払っている友人が絡んできたため、結局訊くことは出来なかった。
何となく明後日のことが不安に感じる。でもまさか二人きりで会う時に、財布を忘れる男なんていないだろう。考えすぎだ。
その日も楽しく過ごし、相変わらず幸隆は饒舌で、場を盛り上げている。
不思議なことがあったのは会計の時――。
皆で割り勘のため、財布からお金を出しながら、友人が集めていたのだけれど、そこに幸隆の姿はなかった。いつの間に帰ったのだろうか。
その時、何人かの友人が酔っ払っていたため、凛花もすぐ忘れてしまった出来事となる。
何回か皆で集まる機会が増えていく一方、幸隆のアプローチも熱を帯びていく。その押しの強さに負け、凛花はとうとう幸隆と二人で会うことになった。
「じゃあ明後日の夜、駅前広場で待ってるから」
彼は飲み会の帰り際そう云った。
「一人三千円だよ~」
友人の声が聞こえ、凛花や他の友人達も財布を出したけれど、ふと顔を上げると幸隆の姿はなかった。
あれ? 今から会計なのに、またいない。お金払わないで帰ってるのかしら。
さすがに毎回、会計時に姿を消す幸隆を不審に思い、隣で財布を出している友人に訊いた。すると、話しが聞こえていたらしく、男の友人が代わりに答えた。
「幸隆の分は俺が貸したよ。あいつ財布忘れたとか何とか云ってたから」
毎回? と訊こうとしたのだけれど、酔っ払っている友人が絡んできたため、結局訊くことは出来なかった。
何となく明後日のことが不安に感じる。でもまさか二人きりで会う時に、財布を忘れる男なんていないだろう。考えすぎだ。