元彼の末路
新婚生活をスタートさせたのだけれど、凛花は慎一郎の態度が日によって違うことに気付いた。
例えば、会社から帰ってきた慎一郎に「おかえり」と云った場合、「ただいま」と笑顔で答える時、私の姿が見えていないように無視をする時がある。初めのうちこそ、どうしたのか気になり訊いたけれど、今になってはよく分かる。彼は気分屋なのだ。恋人時代は分からなかったが、暮らしてみるとそれに気付いた。気分によっては、私の姿がまるで見えていないように振舞う。二重人格ではないかと疑えるほどに。
オセロ男――。まさにその言葉が浮かんだ。
そんな慎一郎だけれど、慣れとは怖いもので、凛花はオセロ男の扱いが上手くなっていった。大事な話しがある時は慎一郎が笑顔の時、慎一郎が無視をする時は、自分の時間を大事にする。扱いが上手いというより、そんなふうにしてバランスを取るしかないのだろう。
例えば、会社から帰ってきた慎一郎に「おかえり」と云った場合、「ただいま」と笑顔で答える時、私の姿が見えていないように無視をする時がある。初めのうちこそ、どうしたのか気になり訊いたけれど、今になってはよく分かる。彼は気分屋なのだ。恋人時代は分からなかったが、暮らしてみるとそれに気付いた。気分によっては、私の姿がまるで見えていないように振舞う。二重人格ではないかと疑えるほどに。
オセロ男――。まさにその言葉が浮かんだ。
そんな慎一郎だけれど、慣れとは怖いもので、凛花はオセロ男の扱いが上手くなっていった。大事な話しがある時は慎一郎が笑顔の時、慎一郎が無視をする時は、自分の時間を大事にする。扱いが上手いというより、そんなふうにしてバランスを取るしかないのだろう。