濡れない紫陽花
そして、授業時間が終わると、ふたりで下校。
美雨の家は、僕の家とは反対方面だけど、そんな事も気にならない。
2人でいれば、特別な時間だ。
たまに、映画館に制服で出かけた。
たまに、アイスクリーム屋に行ってアイスを食べた。
たまに、ゲーセンに行って一緒に遊んだ。
そしてたまに、どちらかの家に行って、愛し合うという事をした。
(きれい、だ)
美雨の肌や唇はいつも、ほのかに熱い。
きっと、僕の頬も同じだろう。
実家だから、決してゆっくりは出来なかったけれど――
それでも出来るだけ丁寧に愛した。