濡れない紫陽花
 
普通より、綺麗な恋愛のつもりだった。

純愛だと、言い切れる自信もあった。


心から美雨を想って

心から美雨を愛して



付き合っていく時間を重ねるほど

美雨の覚めるような美しい容姿の他にも

頬に熱をもたらすことが沢山あると知った



甘い匂いに包まれた、全てのものが愛おしく感じる。


冗談を言うときに、少しだけ口を尖らせたり。

すきなものを食べるときは、人の話をあまり聞いてなかったり。

声がすごく綺麗なのに、リズム感覚がなかったり。

眠たいときは、起きようとしてるのか、手を強く握っていたり。




美しくて綺麗な君は

全てがまっすぐで、いやみなところがない。

君が、どれだけ清純であるか、僕は知ってる。



その清純さがあるから

てらてらした、その唇が、よけいにいやらしいんだ。


 
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