濡れない紫陽花
 
終焉が近いこと、予想していたのに。



おしまいというものは、唐突に現れたように思う。




その日は、いつになく強い雨が、ざあざあと降りしきっていた。


風はないのに、その激しい雨の音だけで、延々と続くノイズを髣髴とさせた。




美雨は今日も元気がない。

白くて綺麗な肌が、少し青く見える。



あまりに心配で、それなのに不安は顔に出せなくて。


どうしていいかわからないでいた休憩時間、美雨が席を立ち、友達も連れずに教室を出て行った。




僕は、不安から彼女を追いかけてしまった。


だけど、上手く声もかけれず、少し後ろから美雨の向かう先についていくと、彼女は保健室に入っていった。


 
< 24 / 49 >

この作品をシェア

pagetop