濡れない紫陽花
終焉が近いこと、予想していたのに。
おしまいというものは、唐突に現れたように思う。
その日は、いつになく強い雨が、ざあざあと降りしきっていた。
風はないのに、その激しい雨の音だけで、延々と続くノイズを髣髴とさせた。
美雨は今日も元気がない。
白くて綺麗な肌が、少し青く見える。
あまりに心配で、それなのに不安は顔に出せなくて。
どうしていいかわからないでいた休憩時間、美雨が席を立ち、友達も連れずに教室を出て行った。
僕は、不安から彼女を追いかけてしまった。
だけど、上手く声もかけれず、少し後ろから美雨の向かう先についていくと、彼女は保健室に入っていった。