濡れない紫陽花
(具合の悪い原因、分かってたんだね)
君は、どこまでも美しい。
そうやって、僕のせいで不安を持っても――
僕に無理して笑いかけて
心配しなくていいと言って
僕と一緒に帰って
キスをされて。
ぼろぼろと、涙がこぼれた。
保健室の中からも、嗚咽が聞こえる。
苦しい。
苦しい。
苦しい。
初めて美雨に声をかけられたときみたい。
苦しくて、死んでしまいそう。
どこまでも美しい君を、僕が汚して、傷つけた。
(愛していたのに。)