濡れない紫陽花

6. 再会の朝

 
死んだ月日は、1年を巡った。







何の罪も背負わずに、長い四季を過ごしてしまった。

今はもう、3年の梅雨。




梅雨の雨を見ると、どうしても痛みが溢れる。

(偽善者のくせにね)








あの紫陽花、また咲いているだろうか。







雨を弾いて、キラキラ輝いて。










輝かしく美しい、君のように。


(見る者の目と胸を、焼け爛れるまで焦がしながら)


 
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