濡れない紫陽花
君を失ってから僕は――
いや、君を捨ててから僕は
何もする事がなくなった。
愛でることも
想うことも
何もかも忘れた。
そして、やる事のない毎日を繰り返し
窓の外の季節も見ずに
ただ、勉強ばかりした。
つまらない学生だろう。
おかげで、また目が悪くなった。
でも、目が悪いくらいで文句を言える立場じゃない。
僕が口にしていいことなど、ほとんどない。
僕は、無口になったよ。
(すべては、心の中だ)