濡れない紫陽花
『水野 葉季』
新しいクラスは1組のようだ。
はじめのクラスだったおかげで、他のクラスを見なくてすんだ。
皆が皆、自分の新しいクラスへと向かいだす。
僕が教室に着く頃には、もう8割ぐらいの生徒が教室に集まっていた。
去年のクラスの人間はほとんど見当たらない。
黒板には、座席と生徒名が書かれている。
ほとんどの生徒が席についてる中で、僕の前の席の奴だけが現れない。
黒板に書かれた名前は
『美月 美雨』
(美しいが2つもある…贅沢だな)
これで大して可愛くもない女がきたら、鼻で笑ってやろうと思った。