不良男にご用心
「ほら、前おやっさんが言ってたじゃないですか。」
「お父さんが・・・?」
もう分かると思うがおやっさんとは私のお父さんのことだ。
久世の4代目当主であり、久世の頂点に立っている男。
皆はお父さんのことをおやっさんと呼んでいる。
「ダメ、思い出せない。」
「・・・本当に忘れたんですね。あんなに楽しみにしてたのに。」
「・・楽しみにしてた?」
え、嘘。じゃぁなんで忘れてるの!?
私の楽しみはすぐに忘れるようなものだったの!
「ほら、新しく家族が増えるって・・。」
・・・家族?
えっーと、新しい家族、増える・・・。
あと少しで思い出せそう・・!