卒業まで

家庭科




 平日は学校だ。



勉強をしに行く―というより [啓に会いに行く]と言った方が



嘘を付かない事になるだろう。



下駄箱に 白いスニーカーを入れて、上履きに履き替えた。






ガラガラガラッ―.....



「おはよう!由香ぁッ!」



私が挨拶する前に 親友の*沙耶*が声を掛けてくれた。



「おはよう、沙耶! 今日は家庭科があったよね」



机にカバンを置きながら 時間割表に目をやった。



「うん、調理実習でしょ? お弁当作るんだよねー」



「お弁当かぁー、何入れようかなぁ」



「まだ決めてないの?ノンキだねー...」



「いいじゃーん!」




 ―こんな何気ない会話が 私は楽しくてしょうがない。



誰でもそうなのかな...







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