卒業まで




      ガタガタガタ...



椅子を一斉に引く音。と同時に 家庭科教師がツカツカと入って来た。



ロングテーブルに 沢山の食材。



どうやら好きに使って 弁当を作るらしい。



その横に 家庭科教師の *秋山*。 高い声で年齢は二十代後半という所だろうか。



一部の男子によって ファンクラブも作られる程の美貌の持ち主だった。



 だけど、私の耳には 彼女の声は入らない。



「では...これからお弁当作りを始めるので 準備してください」



なぜ??



だって、さっきの啓への態度に後悔してる。



もっと可愛く言えば良かったなぁ...って。



あれじゃ、好かれない。もうきっと 私の事は好きじゃないだろう。





 みんな準備を始めている中で 私だけが動けなかった....





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