【完】スマイリー☆症候群
syndrome0
プロローグ☆椿side
――桜凛学園高等部。
ここはあまりにも平和で、争いもなく、ただ毎日和やかな生活が繰り広げられている。それはそれはあり得ないほど快適で、穏やかな……。
「ここから離れろ! 危険だ!」
突然、教室に響き渡る焦りを交えた叫び声。
「えっ!? どうしたの?」
さっきの少年の声に反応した小柄な少女は、長い茶髪を愛らしく揺らしながらその場に駆け寄り、1つのロッカーを凝視する。
「もしかすると、このロッカーに爆弾が仕掛けてあるかもしれん」
「嘘だろ……。ってお前、ここ俺のロッカーじゃねぇか! ちょ、大事な物が入ってんのに、どうすりゃいいんだよ!」
どうやら、爆弾の仕掛けられているらしいロッカーの所有者である1人の少年は、悲痛に嘆きながら両手で頭を抱えた。
「落ち着け、今から俺が慎重に処理する。だからお前は離れておけ」
「お、おう! 頼むぞ」
穏やかな……。
いや、訂正。
て言うか、前言撤回。
実際には、騒がしくて、ハチャメチャな日常。
毎日が危険極まりなくて、ドタバタ騒ぎ。でも、いつも笑いが耐えない。
それが私、犬塚椿の毎日の生活である。
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