【完】スマイリー☆症候群



「おい、そこ。何かコソコソと楽しいお喋りをしてるみたいだなぁ」


……うわ。地獄耳め。

今、白鳥のどす黒いオーラを交えた視線は、間違いなく私達に向けられている。


「お前等、今何の時間だと思ってるんだ? 休み時間じゃないんだぞ!」

「……はい」

「ちゃんと施設、決めたんだろうな」

「い……いえ」


何をおっしゃる、白取さん。そんなの決めてるわけないじゃないの。

だって私達、ずっとあなたの話をしてたんですから。


「今後気をつけるように! いいな」

「……はい」


これで何とか無事に終わる……筈だったのに――。


「白取だけに白鳥……。くくっ、マジうけるぜ」

「……っ」

「え……」


一瞬にして、その場の空気は氷河のように凍り付いた。

それと同時に、大きな緊張感が部屋全体に走る。

最悪なことに、未だに事態を把握出来ていない清水はというと……おもいっきり腹を抱えながら1人でケラケラ笑っている。
< 12 / 314 >

この作品をシェア

pagetop