【完】スマイリー☆症候群
「おい、そこ。何かコソコソと楽しいお喋りをしてるみたいだなぁ」
……うわ。地獄耳め。
今、白鳥のどす黒いオーラを交えた視線は、間違いなく私達に向けられている。
「お前等、今何の時間だと思ってるんだ? 休み時間じゃないんだぞ!」
「……はい」
「ちゃんと施設、決めたんだろうな」
「い……いえ」
何をおっしゃる、白取さん。そんなの決めてるわけないじゃないの。
だって私達、ずっとあなたの話をしてたんですから。
「今後気をつけるように! いいな」
「……はい」
これで何とか無事に終わる……筈だったのに――。
「白取だけに白鳥……。くくっ、マジうけるぜ」
「……っ」
「え……」
一瞬にして、その場の空気は氷河のように凍り付いた。
それと同時に、大きな緊張感が部屋全体に走る。
最悪なことに、未だに事態を把握出来ていない清水はというと……おもいっきり腹を抱えながら1人でケラケラ笑っている。