【完】スマイリー☆症候群
「ううん、気にしないで」
「そうよ。私達も悪いんだからさ」
「宮永、犬塚……サンキューな」
涙ぐみ、私と笑佳をキラキラとした目で見てくる清水。
……ったく、大袈裟なんだから。
「じゃあ」
「「「へ?」」」
そんな中、突然宙に放たれた短い言葉。それはもう、不意打ちすぎて。
徐に振り返ってみると、そこには、真顔で私達を見送ろうと手を挙げる亮介の姿があった。
いやいや。
「あんたもよ」
「ん!? 俺がいつ何をした」
“白鳥”の名付け親のあんたが何を言う。
「……とにかく、行くわよ」
まだ納得がいっていないのか、キョトンとした表情で首を傾げる亮介を、私は無理矢理教室の外に連れ出した。