【完】スマイリー☆症候群
「……あの娘達? 何だそれは」
「植木、お前わかんねーの? 京都といったら舞妓さんしかいねぇじゃんかよ! ま・い・こ・さ・んっ」
「マイコさん? 知らないな、そんな奴」
異常なテンションの清水に、亮介は冷静な顔で……寧ろ少し怪訝そうな顔で返す。
おそらく亮介は、生まれてこの方“舞妓”という単語を、一度も見たことも聞いたこともないのだろう。
「だーかーらー!」
不思議そうな表情の彼に、清水は呆れたように叫んだ。
そして、ニターっと不気味な笑みを顔に滲ませながら、“京都=舞妓さん”を必死になって説明する。
何妄想してんだか……。
って言うか、さっきまでのあの空気は一体どこに消えてしまったのやら。