【完】スマイリー☆症候群



「みみみ、美坂先生……髪、切られたのですきゃ!?」

「……ええ、はい」


デレデレと鼻の下を伸ばし、緊張のせいか噛みまくりの白取先生に、にこやかな笑顔を返すのは、音楽の“美人先生”で有名な、美坂玲子(ミサカ レイコ)先生。

白取先生の言う通り、彼女はもともと腰まで届くほどに長かった黒髪を、肩に付くか付かないかくらいのショートヘアに切っていた。


「白取先生、皆さん、失礼しました」


用件を済ませた美坂先生は、そう小さく呟くと、スッと可憐に立ち去り廊下へと消えていく。

また、それを名残惜しそうに、そして愛おしそうに白取先生は眺めていた。

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