【完】スマイリー☆症候群



ひとまず一ヶ所目が決定した私達4人は、二ヶ所目を決めるために持たされたバケツを廊下の上に置き、名所一覧表を囲んでにらめっこをする。


「これなんか良いと思うが」


亮介の突然の声に、私達3人は注目し、じぃーっと紙を見つめる。

そのまま、亮介はある場所が書かれた文字を指差した。


「この、『しみずでら』って言うのはどうだ」

「しみずでら?」


……何それ。私そんな場所、一切聞いたことがない。

前代未聞の言葉に戸惑う私は、亮介の指差す文字をじっくりと見る。


「これだ」


これ……? って。

亮介の指差す文字を捉えた瞬間、私は知らず知らずのうちに眉をひそめていた。


「まさかとは思うけど、あんた。清水寺のことじゃないでしょうね?」


亮介の指差す所には、清水寺という文字が書かれている。

確かに、清水は“しみず”とも読むけど、あのかなり有名な清水寺を読み間違うとか、普通に考えて有り得ないと思う。

……いや、それが“アイツ”ならそれがきっと有り得てしまうんだ。


「そうか! “きよみず”なのか。俺はてっきり“しみず”だと思っていたぞ」

……やっぱり。

ってか何、その世紀の発見しちゃいました! 的な顔は。
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