【完】スマイリー☆症候群
「野生の猿だったんだよ」
……え?
野生の猿……? は? コイツ、馬鹿か?
手で塞がれた耳に僅かに届いた声を拾い、俺は唖然とする。
「何だ、猿かよ。おもんね」
「あのキーキーした“鳴き声”は、絶対に猿だ。全く困ったもんだよ。どこから入り込んだんだろうな、あの猿」
信じられない。
俺は白取の馬鹿……というか、極度の天然加減に、思わず腰を抜かしてしまった。
と同時に、憐れながらも「白取が馬鹿で助かったぜ」と心の底からそう思ったのであった。
てか、猿って酷くね!?
――そしてその後、俺達はこの一連の騒動を『白取モンキー事件』と名付け、一生語り継ぐことを誓ったんだ。