【完】スマイリー☆症候群
チョコだ祭だ大合戦☆亮介side
時は過ぎ去り、今や2月。
まだ道路には数センチもの雪が積もる程の肌寒さで、俺は毎朝が苦痛となっていた。
「植木! おっす」
「ああ、おはよう」
ポンッと俺の肩に手を置き、ニタニタと不気味な笑みを浮かべる清水に、そう返事をする。
それにしても。
「何だ、その大きな袋は」
清水の右手に見える、大きな白い布地の袋がどうも気になってしかたがない。
一体、何に使うのだ?
ん? しかし、どこかで誰かが同じようなものを持っていたような気が……。
そう思い、俺は、再びその袋に視線を落とすことにした。
その時、ある1人の“人物”が頭に過ぎる。
……そうか、わかったぞ!
「それは、子供達への大量のプレゼントを入れるための、例の袋だな!」
きっとそうに違いない。その理由なら、全て収拾がつくからな。
しかし、俺が一度頭を縦に頷かせると、清水は呆れた顔をして口を開いた。