【完】スマイリー☆症候群
「あのな……俺は、サンタクロースか! 普通の男子高校生がサンタとかありえねぇから。それに、サンタの季節はもうとっくにすぎてるだろ!」
清水は、大音量の声で叫ぶ。
「そ、そうか」
どうやら、ハズレらしい。
違うとなれば、真相は?
そんな俺を見兼ねてか、清水は深く溜息を落とし、口を開いた。
「この袋はな……今日の祭りには欠かせない、必需アイテムなんだよ」
祭り……?
俺が首を傾げると、「今日という、一年で一番と言ってもいい程の一大イベントを忘れちまったのかぁ!? 植木ぃ!」と、奴は俺を哀愁の目で見て、叫ぶ。
「今日、祭りなんてない筈だ」
「お前、本気で言ってんのか!? 祭りは祭りでもな……バレンタインだよ、バレンタイン」
清水はそう言い残すと、またもや頬を緩めた。