【完】スマイリー☆症候群
――――……
あれから、早30分が過ぎた。
学校に着いてホッと一息ついた私達は、早速荷物をバスに預ける。
「にしても、清水と亮介、遅いわね」
「うん。行く途中、何かあったのかな?」
バスに荷物を積み込み終え、時計を覗くともう集合時間まであと5分。
だというのに、まだ来ない2人を私達は心配になる。
「あ、椿ちゃん、来たよ」
少しして、遠くからハアハアと息を切らし、重い荷物を抱えながら走って来る2人の少年が見えた。
私は、その2人は間違い無く清水くんと植木くんだと認識する。
「おーい、清水くん、植木くん!」
私が小さく手を振ると、清水くんはニカッと微笑み、手を振り返してくれる。
植木くんも、フッと優しい笑みを見せながら、手を振ってくれた。
「……ギリギリ」
「セーフだな」
ダラダラと額から流れ出る2人の汗から、どれだけの距離を走ってきたのかよくわかる。
「2人とも、無事だったみたいね、笑佳」
「うん」
ニカリと、まるで日だまりのような椿ちゃんの暖かい笑顔。
私は知ってる。なんだかんだ言っても、やっぱり椿ちゃんは凄く友達想いなんだって。