【完】スマイリー☆症候群



「ウォオオオォォッ!」


清水の想いがふんだんにつまったであろう叫びに、俺は心がギュッと締め付けられる。

ゴールまで距離あと50センチ、10センチ。

そして、ゴール。

テープが切られたその瞬間、会場全体にどっと沸き上がる歓声。

その中心には、強くガッツポーズをする清水がいて。

清水は、見事1位を手にしたのだ。


「清水! よくやったぞ」


早速清水の元に駆け寄り、溢れ出す歓喜を伝える。


「植木、お前こそ凄かったぜ」


ニカリと笑う奴の表情は、今最高に輝いていた。


――――……


「それでは、プログラム1番、6×200メートルリレーの結果発表をする」


司会の声により、うるさかった会場がザワザワとより一層に沸き立つ。


「1位、5組。2位、3組。3位、2組。4位、1組。5位、4組」


言い放たれた瞬間、更なる歓声がこの場を埋め尽くす。

倉本、山田、小林、望月、清水、そして俺は集まるなり肩を組み、喜びを共にした。
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