【完】スマイリー☆症候群
「続きまして、6×100メートル走に移ります。選手、入場」
喜ぶのも束の間。
実況係りの声が、選手一同に行進を促す。
「位置について、よーい――」
――パンッ!
ピストルの音が弾けた。
第1駆の生徒達が、一斉に走り出す。
響く声援。
止まらない喚声。
……れは、いつまでも変わらなかった。
そして――。
うっすらと日が傾き始めた空の下。
最終種目の終了を知らせるホイッスルが、グラウンドに轟いた。
「……ついに、運命の結果発表、だな」
オレンジ色の空を仰ぎ、望月は呟く。
奴のその言葉に、何とも言えない緊張感が全身を走る。