【完】スマイリー☆症候群



「それでは、結果を発表をします」


グラウンドが、緊張の一色に染まる。

俺は、天に向けて祈りを捧げた。


「今年度の優勝クラスは――5組!」


その瞬間、俺達の頭上をカッとライトが明るく照らした。


「ま、マジでか!? うおおおお!」

「っや……やったぞ、皆あああああ!」


“5組”


その事実を聞いた途端、清水と望月は叫喚し、勢いのままに抱き合う。

涙を浮かべ、本気で喜び合う2人は、素晴らしく輝いて見えた。


「結構やるじゃない、あんた達」

「皆、おめでとう」


不意に聞こえてきた、聞き覚えのある声に目をやる。

沸き上がる俺達に祝辞を送るのは、同じクラスの少女、犬塚椿と宮永笑佳の2人だった。
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