【完】スマイリー☆症候群
「2人共、本当に優勝おめでとう」
「私、凄く感動したよ」
俺達に向けられる、柔らかな笑顔。
まるで、喜びを共にしてくれているかのようなその表情に、グッと何か熱いものが込み上がる。
「ありがとう。宮永、犬塚。……俺達が優勝出来たのは、きっと君達の応援があったからこそだ」
胸に溢れる感喜を、俺は精一杯伝える。
すると彼女達は、互いに顔を見合わせにこりと微笑んだ。
「……植木、てめぇ! 俺が言おうとした台詞、全部先に言いやがったな。許さねぇぞコノヤロー!」
「……っ、そうなのか」
清水はムスッと拗ねたように口を尖らせると、「ああ、そうだよ」と俺をキッと睨む。