【完】スマイリー☆症候群



「し、しかし、これは所謂不慮の事故であって、悪気は一切無かったのだ。わかってくれ、清水」


どうにか誤解を解こうと、俺は必死に言葉を並べる。

それでも尚、清水の膨れっ面は変わらず保たれたままで、俺の話をすんなりと聞いてはくれない様子。


「はあ。あいつ等、本物の馬鹿だわ」

「……何か、まるで小学生同士の喧嘩みたいだね」


フッと漏れた声に、視線をやる。

隣でずっと俺達の様子を見ていた2人は、呆れたように呟いた。


「……で、なんだけどさ」


空が微かに橙に色付き始めてから早数分、すっかりと鮮やかな茜色に染まった空の下。

急に畏まったような声色で、犬塚が開口する。
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