【完】スマイリー☆症候群
syndrome3
極秘任務は内密機密☆椿side
「ねえ、亮介。ちょっといい?」
気迫に溢れた熱戦の翌日。
教室に入ってくるその姿を捉えると、私は彼を呼び寄せるように手招く。
「あんたに協力してほしいことがあるの」
私の唐突な言葉。
説明不足なせいか、亮介はキョトンと目を丸くする。
「……協力、とは」
「ああ、ごめんごめん。実はね……」
私は徐に口を開くと、とある1つの事柄を漏らさず亮介に話した。
「……そんな安易なことで良いのか?」
「ええ、そうよ。それに、こんなことあんたにしか頼めないもん。ねえ、お願い!」
私は必死になって、頼み込む。
亮介は“安易”だと言うけれど、私が奴に与えた使命は、私にとっては重大極まりないもの。
何せ、その協力1つの有無で、全ての計算が狂ってしまうのだから。
「ああ、そのくらい容易い。俺でよければ引き受けよう」
「ありがと」
この協力が決定した瞬間、私はホッと胸を撫で下ろした。
これでやっと全ての材料が揃う。
だけど、この先は自分の運次第。
どうにか上手くいけばいいのだけれど。
後は切実に運に任せ、亮介が使命を果たすのを待つのと、自身が行動するのみだ。それにかかってる。
そして私は、グッと拳を握り締め行動に移した。