【完】スマイリー☆症候群



「笑佳ー!」


亮介と別れた私は、直ぐ様実行に移すため笑佳の元に駆け寄る。


「ん?」


私の問いかけに反応した笑佳は、ふわりと髪を靡かせながら愛らしく微笑んだ。


「あのさ、日曜って空いてない?」

「え、空いてるよ」

「じゃあどこか行こうよ! 亮介が清水誘ってくれてるから、4人で」


清水と亮介の姿を遠くからちらりと確認して、私は笑佳にそう告げる。


「うん、勿論いいよ!」

「じゃ、決まりね」


これで、取り敢えず第一段階クリアね。

そう、“笑佳と清水を誘って遊びに行く”。これが私の作戦だったのだ。……って言っても、ただ4人で遊びに行くっていうことが、“真”の目的じゃないんだけど。

あとは、亮介がちゃんと清水を誘ってくれているかだけ……。


「犬塚」


突然、低めの澄んだ声が耳に響く。
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