【完】スマイリー☆症候群
回る揺らめく観覧車☆笑佳side
「さっきの人達、面白い人だったね」
「え? ああ、うん」
「けど、間違っちゃうなんて悪かったな……」
「しょーがねェって。気にすんな! 髪型とか顔とか似てて、俺もあいつ等かと思っちまったもん。……まあ、植木ならまだしも、あのメガネを犬塚がかけるわけねェけどな」
隣の清水くんに喋りかけると、ニカッと笑って返答してくれる。
いつもそう。清水くんは本当に優しい。
彼の見せた無邪気な笑顔に、何だか私の心は温かくなった。
「でさ、次どこ行く?」
「どうしよっか」
キョロキョロ辺りを見渡し、アトラクションを探す。
「あ。清水くん、あれ乗ろうよ」
私の指差す方には、ゆっくりと回る七色の大きな観覧車が佇んでいる。
「おう! 行こうぜ」
清水くんはそう言って私の手首を掴むと、私を促すように観覧車の列まで走っていった。