【完】スマイリー☆症候群



「マジかよ……めっちゃ人並んでんじゃん」


ピタッと立ち止まるなり、清水くんはそう呟く。

目の前には沢山の人で出来た列が広がっている。

順番が回ってくるには、結構時間がかかりそうだ。


「宮永、どうする?」

「んー。お土産屋さんでもみとく? その後また来ようよ」

「おう、そうだな!」


私は、意見に賛同してくれた清水くんと共に賑わうお土産屋さんに入ることにした。


――……


「うわー可愛い」

「いっぱいあんな」

「あ、椿ちゃんと植木くんのお土産、これよくない?」


私の指の先には、可愛い小さなオスとメスのテディベアのペアストラップ。


「ペアだったら、椿ちゃん怒っちゃうかな?」

「“なんであたしと亮介がペアなのよ!”ってか」

「でも、そう言っときながらもちゃっかり付けて来てくれて、すんなりペア完成っていう」

「かァー、妬けるぜ!」


バチっと目が合い、お互い顔を見合わせながらクスクス笑う。

ごめん、椿ちゃん。

きっと私今、最高にニヤニヤしてる。

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