【完】スマイリー☆症候群
「……すごい」
そこに広がる景色はもう、絶好で。
地面から見ていたものとは全く違う世界に、私は思わず声を洩らす。
人が点のように見えて、さっきまでいたお店はまるでミニチュア模型のようだ。
刻々と角度を変える観覧車と共に、景色だって様々に移り行く。
「とっても綺麗だね、清水く……「宮永!」
「……っ!?」
勢いよく遮られた私の声。
少しびっくりして、咄嗟に言葉を飲み込んだ。
「あの、俺……」
そこまで言うと、清水くんは口をつぐむ。
どうしたのかな?
っていうか、何なんだろうこの空気。
……何ていうか、“緊迫感”に似た、そんな空気に包まれる。
「清水くん、どうしたの?」
そして私は、いつもと少し様子の違う彼にそっと声をかけた。
その時――。