【完】スマイリー☆症候群
「……っ!」
突然立ち上がった清水くんに、肩を掴まれる。
一気に近付いたその距離。
私はビクリと身体を震わせた。
「ず、ずっと前から……」
目と目が合う。
真剣な清水くんの表情を、私はただじっと見つめる。
そして、その唇は再びそっと開かれた。
「やっぱ、何でもねぇ!」
「……へ?」
大きく叫んだ彼に、私はキョトンと目を丸くする。
何でもない?
「あはは、ごめん。気にしないで!」
「そ、そう? だったらいいんだけど……」
何か、凄く言いにくいことなのかな?
深刻な悩みだったらどうしよう。
「清水くん、何か相談したいこととかがあるんだったら、遠慮しないで言ってね。私、力になるから」
「……え? あ、ああ! ありがとな」
そうして、私達を乗せたゴンドラは出発地点まで帰ってきた。