【完】スマイリー☆症候群
「すごく楽しかったね!」
「また行こうな!」
「うん。約束だよ」
閉園時間間近になり、私達は薄暗い空を背景に最初に潜ったゲートへと向かう。
「おう! 絶対ぇ約束するよ」
優しくもしっかり結ばれた小指に、私は思わず口角を上げた。
今日は本当に幸せだった。
だって、こんなにも心がキラキラ嬉しくなってるんだもん。
一つ一つ今日を思い返すとすっごく濃厚で、でもあっという間で……このまま時間が止まってくれたらなー、なんてこっそり思ってみた。
「ありがとうございました」
でもやっぱりそうはいかず、従業員さんの声に私は寂しくなる。
「あ、私こっちだから」
「そっか」
しばらく歩き、悲しくも清水くんとのお別れの時間がやってきた。
バイバイ、と手を振りあって、私達は互いに背を向け家の方へ歩く。