【完】スマイリー☆症候群
見せろ男気!決着戦☆孝治side
春の訪れを予期させる、柔らかな光。
澄み渡った空の青の下に、白い校舎がよく映える。
そんな清々しい自然が溢れる中、深刻な悩みに侵されたちっぽけな俺は、1人教室で頭を抱えていた。
誰か……誰か俺を、助けてくださーーい!
――ミシ、ミシ……。
おお、来た!?
どんどん近づいてくる足音。それに、俺は胸を高鳴らせる。
嗚呼、早く来てくれ救世主様!
「どうした清水? 頭でも痛むのか」
ノォォォォォッ!
突然降ってきたのは、あまりにも聞き慣れた声。
俺はそれに、勢いよく首を振る。
違ぇよ! 頭痛な訳がないだろ、このアホが。
「違ったか……」
奴はそう言うと、眉間に皺を寄せながら唸り声をあげた。
植木亮介。
何で寄りによってコイツが真っ先に来るんだよ!
悪いが、奴が救世主様になんざなり得るわけがない。
ド天然極まりない植木だ。どうせ、この深刻な問題の解決方法なんて知る筈もないのだから。