【完】スマイリー☆症候群
複雑怪奇は突然に?☆亮介side
ーーシャッ。
目を覚ますなりカーテンを開け、太陽の光をいっぱいに浴びる。
未だ少し眠いせいか鈍った体に鞭を打ち、着替えを済ませた俺は、日々と同様食パンをくわえた。
「お弁当用意出来たわよ」
そんな声と共に、台所から運ばれてきた黒い弁当箱。
「ありがとう」
それから食事を終え、歯磨きを済ませて今日も準備は万端ーーいや、違った。
「危ない、忘れるところだった」
机に置いた腕時計を取り、左腕に付ける。
今は、8時ジャストだ。
「よし。それでは、行ってくる」
「行ってらっしゃい。リョーくん、気をつけてね」
「ああ」
優しい笑顔の母に見送られ、いつもと相変わりなく俺は家を出た。
そう、今日もいつもと同じ生活が待っている……筈だった。