【完】スマイリー☆症候群
ーー……
「何だ、コレは」
賑やかな声が響く下駄箱。
そこで俺は辺りとは対称的に口をつぐんで、ある一点に視線を集中させていた。
ある一点ーー俺の下駄箱のボックスに、何故か白い紙のようなものが置かれていたのだ。
……手紙、か?
手に取り裏側を見ると、“植木亮介くんへ”そう書かれており、赤いハートのシールで封がされている。
しかし、何故か送り主の名前は書いていない。
ーーもしや!
きっとそうだ。いや、この状況からしてそうに違いない。
……それにしても、本当にそんなことがあるのか?
俺の脳にある事が過ぎり、一瞬ドキリとする。
ひとまず教室に戻ることを決めた俺は、ごくりと喉を鳴らせ、足を進めた。