【完】スマイリー☆症候群
「まず、この文字に注目してほしい」
俺はそう告げると、一文目の“植”を指す。
「この文の先頭は“う”だ。そして次の文の始まりは、獲物の“え”」
「……じゃあ、次は“き”ってことか」
「そうだ」
コクリと頭を縦に振る。
清水は俺の意図を理解したようで、サラリと進めた。
「では、それぞれの頭文字繋げて読んでくれ」
「りょーかい。……えっと、うえきころす……って、あ!」
何かとてつもないことでも閃いたような、清水の顔。
それから奴は、恐怖におののくが如く震えだした。
ついに、事実に気が付いたようだな。
「ああ、そうだ。つまり、何者かが俺の命を狙っているということだ!」
「マジかよ。そんな意図が込められていただなんて、全然気付かなかったぜ」