【完】スマイリー☆症候群
「仕方ない。俺も初めは驚いーー「そんな訳あるかーっ!」
鼓膜に響く、鋭い声。
不意に、眉を歪めた犬塚の表情が目に入る。
「これだけの決定的証拠を出しても尚、まだ君は信じないのか?」
「だから、何であんたは素直に受け止められないの!? ってか、清水も乗らないでよ」
「いやぁ、ついさ」
素直に、と言われてもな。
“うえきころす”
こんな明らかな悪意に満ちた偶然が、本当に存在するのか。
俺には、筆者の故意によって仕組まれたものとしか思えんのだが。
「……まあ、返事はどうあれ、ちゃんと送り主の気持ちに応えてやれよな、植木」
「ああ、もちろんだ」
そんなこと、肯定に決まっている。
「亮介、あんたちゃんと意味わかってる?」
「当然だ。相手が望むなら、俺はそれに従い挑みたいと思う」
「そ、そう……」
意味も何も、断る方法すらないからな。
さあ、何処からでもかかって来い。
「何々~? 椿ちゃんヤキモチですかー?」
「ばっ、違うわよ!」
俺は絶対に負けたりなどしない。
如何なる軍隊も、テロリストも、俺が必ず倒してやる!