【完】スマイリー☆症候群
――キーンコーンカーンコーン。
丁度その時、校内に響いた鐘の音。
授業開始5分前のその合図に、生徒等はぞろぞろと席に着き始める。
清水と犬塚はそっと時計に目配せをすると、俺に別れを告げて己の席へと向かった。
俺は、もう一度果たし状に目をやる。
そして、決意を秘めた。
――……
時は流れるように過ぎ去り、放課後。
ついに、その時がやってきた。
指定時間の10分前となり、俺は今まさに体育館裏へと向かっている。
不思議と、緊張はあまりしなかった。
ただ1つ……俺の中には真っ直ぐなものが支配していた。
目的地へ着くと、俺の目には1つの人影が飛び込んできた。
――ジャリ。
しっかりと地面を踏みしめる。
すると、気配に気がついたのか、その女はふわりとこちらに振り返った。
来い。
どこの誰だか知らないが、俺は逃げも隠れもしない。
徐に近づいてくるその姿を、俺は真っ直ぐ見据える。
……さあ、戦いの始まりだ。